天使Kさんに誘われて日本海に2種類のGTを狙いに行ってきました。
ロウニンアジ(Giant Trevally)ではありません。
デカいタラ(Giant Tara)とデカいタヌキメバル(Giant Tanuki)がターゲットです。
タラとタヌキが日本語じゃんとか細かいことをつっこんではいけません。
草木も眠る深夜2時半に自宅を出発し、松江を目指します。
高速道路が開通して行くのが楽になった松江ですがやはり遠い。
しかも
寒い
6月なのに8℃ってなんなの…。
海の上も超寒かったらどうしようとビビりつつ、集合時間に集合場所に到着。
この日はチャーターでの出船だったのでご一緒するみなさんにご挨拶をして船に乗り込みました。
さすがに高速道路とは違い海の近くは寒くありませんなーと笑顔で支度をしていると
船長 朝のうちはうねりが少しあるかもしれません
ああそうか、日本海にはうねりってものがありましたな。
じゃあポイントに着くまでに船がちょっと揺れるのかもしれないねと軽い気持ちでいましたが
2時間半後、うねりに翻弄されまくり全員ヘロヘロになりつつ釣り場に到着しました。
釣り開始時点でお一人の方が撃沈状態です。
で、最初はタラ狙いから。
水深は210〜240mで使用するジグの重さは250g〜300g。
この水深でこの重さのジグを使うのは初めてのことなのと、どのくらいの大きさの魚がくるのか分からないので最初は普通のベイトジギング用のタックル(TENRYU JDR581B-4 + オシアジガーリミテッド1500HG)を使っていましたが、全然着底が分からず大困惑。
そうこうしていると周囲でタラが水揚げされ始め、夫も隣で順調にタラを釣り上げていきます。
うーんうーん、なんかおかしいな。
スロー用のラインが300m入っているはずなのに下巻きが出るほど糸を出しても底が取れている感じが全くなく
どうしたらいいのか全然わかりません。
苦戦している私を見かねたのか夫が わしのタックルと交換しようか?と申し出てくれました。
最初は意地をはって いらん! と断っていた私でしたが
夫が3匹目のタラを釣り上げたのを見て心がぼっきりと折れてしまい、タックルを交換してもらいました。
夫のタックルはポセイドンスロージャーカー#4+オシアジガーリミテッド1500HGでリールは同機種なので
あんまり変わらないんじゃないかなーと思っていましたが
ジグを落とし始めてすぐにある違いに気が付きました。
私 あたしのライン、太くない?
夫 ……うん…太いね…
私 ………
夫 ……巻き替えんかったんかの〜…… ※ラインの巻き替えは夫の役目です
と、いうことは
夫は自分のリミテッドだけスロー用の糸に巻き替えて、私のは青物のままだった、と。
で、私はずっと青物用のラインを落とし込んでいた、と。
そもそも、そのリールのラインは高切れしてたので巻き替えを前に頼んでましたよね?
ということは高切れしたまんまなんかよー!底なんかとれる訳ねーじゃん!
あわてて自分のスロー用のタックル(キャタリナBJ 64B-4+オシアカルカッタ300HG)に持ち替えて
ジグを落とすとあっけなく着底しあっけなくタラが釣れました。
この数時間の苦しみはなんだったんだろう…。
私がタラを釣ったことでタラ全員安打となり、獲物がタヌキメバルに移ることになりました。
小1時間移動したタヌキポイントは水深130〜140mでジグの重さは150〜200gです。
さっきに比べて全然楽じゃん!と一瞬思いましたが
ジグを落としてシャクり始めると手首と腕が”それは勘違いだよ”と訴えてきます。
うううう、腕が痛い。
タヌキメバル初心者なのでどのようにジグを動かしたらいいのか見当もつかないので
夫がタヌキ狩り熟練者のH井さんにおすすめジグカラーと動かし方を質問してみたところ
H井さん あんまり考えたことない…あいつらなんでも食ってくるし…
H井さん 多分石でも食うんじゃないかなぁ
えっ!そんなにアホなの!?
しかしそんなにアホでもなかったらしく最初のうちは全然アタリがありませんでしたが
ある時を境に一気にアタリが出始めました。
なかでも夫が異様な釣り運を発揮し始めデカタヌキを連発させていきます。
他のみなさんももりもりとタヌキを水揚げし、@1流しで納竿という時間になった頃それはやってきました。
怪奇ミステリー 途中で変わる魚
ええ…最初は確かにタヌキメバルだったんです…
でも途中からぐんと重くなってラインがどんどん引き出されていって…
ドラグを〆ても全然ダメだし…ロッドをおられそうで怖くて怖くて…
というか、サメが集まってきたんですよね。
しかも歯のあるサメだったらしくみなさん次々に魚やジグをとられてしまいました。
特に天使Kさんにきたサメは推定3mオーバーだったらしく
Kさんが船べりにお腹をつけた姿勢のまま体を全然起こせなくなっていたのはハラハラしました。
ロッドが折れなくて良かったですな。
で、この日の釣果はこんな感じ。
タラ4匹(夫3 私1) タヌキメバル15匹(夫10 私5) ユメカサゴ1匹でした。
楽しかったけど腕が痛い(笑)
帰宅後クーラーから1匹タラを取り出して早速お刺身を作りました。
(我ながらやっつけ仕事ぶりに痺れる)
釣ったその日にタラの刺身を食べてほしい!絶対食べてみて!みんなに食べてほしいんよ!
と、H井さんが熱く訴えていた訳がわかるおいしさ。
普段私たちが知っているタラは水っぽくて柔らかく鍋物の中で徐々に崩壊していく魚ですが
その日のタラは全然違うぷりっぷり具合で これがあのタラか! という感じ。
H井さんに聞いてなければ絶対他のと一緒に翌日捌いていたはず。
だからあんなに熱く訴えていたのねーと改めて思いました。H井さんありがとう!ジグもありがとう!
翌日。
私はちゃっかり有休をとっていたので夫が会社に行った後で余裕で魚を捌きます。
筋肉痛で全身痛いけど私負けない。
一番でかいタヌキメバルは42センチ。
身がしっかりしている割に鱗が密ではなく、トゲトゲでもないので捌きやすい魚でした。
お腹をあけると浮袋が膨らんだまま独立状態で出てきます。
卵か風船かって感じですね。
これを破ると魚ガスという感じのすごい臭いがします。
一番大きいタラは67cm。
タヌキメバルもですがぬめりが全身を覆っています。
このヌメリでシンクの排水口ストレーナーにかぶせているネットの目が詰まって
水が流れなくなるのには難儀しました。
お腹の中からは大量の胆が出てきました。
生き締めして血抜きしてあるので塩水の中で揉んでも血が滲まずうまそうです。
ということでこの日の夕食に作った魚の料理は以下の通り。
タヌキメバルのお刺身。
まったく臭みがなく、さくさくぷりぷりですごくおいしいです。
今回はわさび醤油でしたが薄造りにして薬味たっぷりでポン酢もいいだろうなー。
タラの胆のソテー。
アンコウやウマヅラのように喉にくるようなクドさがなく
胆ながらあっさり目の濃厚さで食べやすいです。
バゲットがあればワインが軽く1本飲めるおいしさ。
次回遭遇したらパテを作ってもよいかもしれません。
タラのアラと胆とアオサのお味噌汁。
北国では定番のお味噌汁だそうです。
冬、外で雪が降るのを見ながらあったかい部屋でこれを食べたらうまいだろうなーと
情景までもが目に浮かぶような安心の美味しさ。
もちろん梅雨の広島でもこれを食べながら日本酒がぐいぐい飲めます。
日本で釣れる魚は数あれど、海域的に釣ることは叶わないだろうと思っていた魚、タラ。
話が出る度に台風に見舞われ、縁がないのかなーと思っていたタヌキメバル。
今回はその2つの魚を釣ることができてとてもうれしかったです。
ご一緒していただいた方々もみなさんよい人ばかりでした。
本当にありがとうございました。
そして今日は一番でかいタラでフィッシュ&チップスを作ります。
ビールはエビスを用意済です。